東洋大学生命科学部生命科学科(2024年4月より生物資源学科に移籍します)
東洋大学大学院生命科学研究科生命科学専攻
極限環境生命科学(伊藤政博)研究室
極限環境生命科学研究室とは?
極限環境とは、私達が『とても生物は生きていけないだろう!?』と思う過酷な環境です。しかし、このような環境にも(微)生物が生息しています。
なぜ、そのような過酷な環境に生命は生きているのでしょうか?
それは、地球の歴史を遡らなくてはなりません。地球が誕生して46億年、地球上に最初の生命が誕生して38億年といわれています。この長い時間の中で、私たちの住む“地球”は、現在のような“穏やかな”環境であったわけではありません。地球全体が氷河におおわれる全球凍結(Snowball earth)、巨大噴火“スーパープルーム”や隕石落下による生命の大量絶滅など、地球上の生命たちは何度も絶滅のふちを漂いました。
地球上の生命たちは、地球が与える“試練”=“過酷な環境”に適応して進化を遂げたのだと考えられます。そんな環境で“極限環境生物”は、誕生したのです。
“極限環境生物”は、私達が持っていない“特殊能力”を備えています。例えば、“100℃を超える温度が大好き!”、“放射線に曝されても平気!”、“強アルカリ性環境が好き!”“塩漬けにされても平気!”などです。
極限環境生命科学研究室では、
➀極限環境微生物がどのような“特殊能力”をもっているのか?
➁その能力は、どのようなメカニズムによるものなのか?
③その能力を私たちの生活に役立てることはできないか?
をテーマに日々研究を行っています。
過酷な環境に暮す極限環境微生物を研究し、その巧みな生存戦略を解き明かし、我々の社会に役立てます。
研究キーワード
(大黄な括り)極限環境微生物、理科教育
(中括り)好アルカリ性細菌、共生微生物、好熱性細菌、好塩性細菌、高濃度セシウム耐性菌、アウトリーチ活動、SDGs貢献
(細かな括り)バイオリファイナリー、酵素阻害剤の探索、セシウム耐性メカニズムの解明とその社会的実装、高アルカリ環境適応メカニズム、Na+/H+アンチポーター、SDGs、持続可能な社会のために、3Dプリンター、べん毛モーター(ナノマシン)、
2021年4月より東洋大学重点研究プログラム・バイオレジリエンス研究プロジェクトのプロジェクトリーダーに就任しました。
2020年4月より2021年度東洋大学重点研究プログラムに採択された研究課題「極限環境微生物の先端科学をSDGs達成のために社会実装する研究」が基盤となりバイオレジリエンス研究プロジェクトが発足しました。東洋大学の特徴の一つとして過酷な極限環境でも生育可能で新たな生物資源として注目される極限環境微生物(Extremophiles)研究に強みがあることが挙げられます。当センターでは、我々の強みである極限環境微生物研究の先端科学と知見を社会に還元しSDGsが掲げる目標に貢献することを目指します。
「洗剤のサイズを10分の1にした男の「波瀾万丈な研究生活」がすごい」
2018年12月30日、講談社ブルーバックスWebに東洋大学生命科学部初代学部長の掘越弘毅先生のことを書いた『洗剤のサイズを10分の1にした男の「波乱万丈な研究生活」がすごい』が掲載されました。
ここで紹介されている掘越弘毅先生は、東洋大学生命科学部を創設し、初代学部長を務められました。